公害や都市問題など、さまざまな社会問題に対する、企業の社会活動や社会的責任を果たしている程度を監査することを社会監査といいます。
監査についての基準など、十分な整備が必要な部分が多いとされています。
●日本における社会監査
社会監査は、アメリカの企業が先鞭をつけ、世界各国の企業に影響を与えました。日本では一部の企業が、株主に配布する「営業報告書」において、社会的責任についての指標を記載したり、社会的責任に関する記述を行っています。
●社会監査の歴史と課題
1970年代以降、公害問題や都市問題など、多様な社会問題が発生しています。それに伴って、企業の社会活動の状況や、社会的責任に関わる取り組みについて明らかにしていくという流れが国際的に広がっていきました。その代表的なものが、 リノウズの「社会経済活動報告書」やアプト社の「社会貸借対照表・損益計算書」などです。また、環境問題に多くの注目が集まるようになった近年では、企業の社会的責任のひとつとして、環境負荷低減活動などに取り組む企業が増え、多くの企業が「環境報告書」を発行して情報開示を行うようになってきました。こうした「環境報告書」も、社会監査の延長線上であるともいえます。しかし、 監査とは本来、情報の信頼性を確保するものであり、情報公開自体は監査とはいえません。人的要件、社会的報告書の作成・監査基準など、企業の社会的情報の信頼性を監査するうえで必要なものは、さらなる整備が必要だといわれています。
村山由美子税理士事務所
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