企業の予算において、企業価値の向上や競争力を維持するために必要な投資活動(設備投資など)に関する予算のことです。損益予算や資金予算とは異なり、中期的な会社経営に基づいた意思決定が必要で、それに連動する予算設定となります。
資本予算には、固定資産購入予算、固定資産売却予算、固定資産除却予算、 資金運用予算などがあります。これらの予算は、企業の長期的な経営の方向性とリンクさせて、その事業年度でのあるべき姿として作成します。
●資本予算の決定について
資本予算は、設備投資のように長期にわたってその効果があらわれる支出計画の策定行為のすべてを示します。投資計画と同義であるといえるでしょう。資本予算は、多額の資金支出を伴い、長期にわたって資金が固定されます。その効果は、長期的な収益構造に影響を及ぼすため、企業にとって資本予算は重大な決断であるといえます。そのため、通常はトップ・マネジメントによる決定事項となり、その意思決定にあたっては、経済的効果に対する合理的な判断基準が必要です。そこで、資本予
算を決定する際は、投資対象への投資金額とその投資対象がもたらす将来のキャッシュフロー(現金収支)を現在価値に計算します。投資金額と、投資を行うことで得られる金額とを、正味現在価値法や内部収益率法などを用いて比較し、投資の採算性を判断することになります。
村山由美子税理士事務所
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