資本的支出

改良費などのように、固定資産を新たに取得するための支出、あるいは既存の固定資産の生産能力、耐用年数、もしくは使用の経済性を高めるための支出を意味します。
資本的支出と認められる支出は、資産の簿価を構成し、将来の減価償却費として費用化されます。また、 資本的支出の反対概念は、収益的支出となります。

資本的支出という用語は、もともとは複会計制度のもとで使用されていました。複会計制度では、資本的支出は収益的支出と区別して貸借対照表の資本の部の借方に資産として記載されます。この場合、資産は取得原価で永久に記帳され、減価償却は行われません。 ただし、現在は、こうした考え方で使用されることはないようです。


●資本的支出の例
以下に記載した費用は、原則として資本的支出に該当します。
・建物の避難階段の取り付けなど、物理的に付加した部分にかかる費用の用途変更のための模様替えなど、改造または改装に直接要した費用
・機械の部分品を、特に品質または性能の高いものに取り替えた場合、その取り替えに要した費用のうち、通常の取り替えに要すると認められる費用を超えた部分の金額:建物の増築、構築物の拡張、延長などは建物等の取得に当たります。

●資本的支出と修繕費の違い
資本的支出は、資産の使用可能期間を延長させたり、その資産の価値を増加させたりするために支出した金額です。これは、修理というよりも改良・改装といった表現が合うものと考えます。
修繕費とは、今までと同様に使用するために支出する、修理・維持管理・原状回復費用などをいいます。