連結財務諸表を作成する際、連結の対象となる連結子会社の範囲を定める基準のひとつです。
かつては、持株基準によって発行株式数の100分の50以上を保有する場合、当該被保有会社を子会社とすることとされていました。しかし、経営者の勝手な判断が介入する余地があるとの問題認識か
ら、1997年の連結財務諸表原則の改正によって、持株基準に加えて支配力基準を用いて、連結子会社に含むかどうかを判定することになりました。
支配力基準の「支配」とは、他の会社の意思決定機関を支配していることをいいます。
●具体的な支配力基準
以下のような基準が、支配力基準です。
・他社の議決権の過半数を実質的に所有している場合
・議決権の所有が50%未満であっても、高い比率の議決権を所有し、なおかつ他社の意思決定機関を支配しているという一定の事実がある場合
このように、支配力基準は議決権の過半数を所有していなくても 、取引・役員派遣・資金援助などを通じて、他社の経営を実質的に支配しているという 経済的な事実関係で判定するものです。
●支配力基準と持株基準
支配力基準は、形式的基準である持株基準に対し、実質的基準とも呼ばれています。これは、形式的基準だけでは企業グループ全体の実態を正確に判断することはできないという欠点をカバーするために導入されました。
村山由美子税理士事務所
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