支店独立会計

簿記における本支店会計の制度のひとつ。支店ごとの経営成績、および財政状態を明らかにするために、本店とは別に支店独自の帳簿組織を設ける制度です。
この制度は、本店・支店を含めた会社全体以外にも、本店は本店で、支店は支店でそれぞれの業績を把握できます。つまり、業績のよい支店はどこか、といった支店の状況を把握しやすいというメリットがあるのです。

●支店独立会計制度の記録について
支店独立会計制度を採用した場合、本店と支店の両方に帳簿を設置します。本店が行う取引は本店の帳簿に記録し、支店が行う取引は支店の帳簿に記録します。
本支店間における内部取引を行った場合は、本店の帳簿と支店の帳簿の両方に記録します。
もう少し詳しく説明すると、本店と支店間の取引、および支店同士の取引は、いったん外部取引のように記帳されます。それに伴い、本店勘定、支店勘定、本店仕入勘定、支店売上勘定といった固有の勘定が設けられます。 ただし、本店および各支店は法的にひとつの企業を構成するのであるため、決算時には本店および各支店を合併した財務諸表が作成されます。

●支店独立会計制度の仕訳
本店と支店との間で行った内部取引に関する仕訳には、支店勘定と本店勘定を必ず使用します。本店の帳簿では支店勘定を使い、支店側の帳簿では本店勘定をいます。このため、本店勘定と支店勘定は金額が必ず一致するという性質があります。

● 内部取引の例
・送金取引:本店から支店、または支店から本店にお金を送った場合など
・債権債務:本店の売掛金を支店が回収する場合など
・立替取引:支店の費用を、本店が立替払いをした場合など
・内部的費用や収益:社内利息など、実際のお金のやりとりをしない取引など
・商品の受払:本店が外部から仕入れ、支店が販売する場合など
・直接仕入・売上:本店を経由せず、支店が直接仕入れを行う場合など