所得控除

所得税の計算にかかわるもののひとつが、所得控除です。所得税の計算は以下の5つのプロセスで計算しますが、第2のプロセスで登場するのが所得控除です。

【所得税を計算する5つのプロセス】
(1)それぞれの所得(10種類)を計算し、合算する。
(2)各種所得控除(14種類)を所得金額から控除す
る。
(3)所得税の金額を計算する。
(4)申告する税金の額を計算する。
(5)納付する税金の金額を計算する。

●所得控除とは税負担を軽くするための配慮
所得(10種類)を合算した総所得金額から控除(差し引く)する所得控除は、14種類あります。この14種類の所得控除には、医療費控除、社会保険料控除、扶養控除などがありますが、おおまかにいえば「生活の質に着目しているもの」と「社会政策的な配慮から設けられているもの」の2つに大別できます。

◎生活の質に着目した所得控除
所得控除は、生活面での個人的な事情に基づいて認められる項目といえます。たとえば、所得額が同じであっても、扶養家族がいる人と独身の人とでは生活に必要なお金が違ってきます。病気がちな人、面倒をみなくてはいけない家族が多い人などについては、生活の質に着目して税負担を軽くする配慮がなされます。障害者控除や寡婦控除(または寡夫控除)も、生活の質に着目した所得控除になります。
◎社会政策的な配慮から設けられている所得控除
社会保険料を納めている人や生命保険、地震保険などに加入している人などについては、社会政策的な配慮から税負担を軽くする配慮がなされています。
その他、寄付金控除などもあります。

所得税を計算する際の第2のステップでは、総所得金額から所得控除を差し引きます。後の金額が、課税所得金額です。計算式は以下のようになります。
総所得金額−所得控除=課税所得金額