【所得税を計算する5つのプロセス】
(1)それぞれの所得(10種類)を計算し、合算する。
(2)各種所得控除(14種類)を所得金額から控除する。
(3)所得税の金額を計算する。
(4)申告する税金の額を計算する。
(5)納付する税金の金額を計算する。
所得税額は、「課税総所得金額 × 税率」の計算式で求めることができますが、この 所得税額そのままを税金として納めるわけではありません。 一定の要件を満たした場合 に、第3のプロセスで計算した所得税の額から、控除できる項目あるからです。
この段階での控除を税額控除といい、所得税額から税額控除額を差し引いたものを申告 税額といいます。 計算式は以下になります。
所得税額‐税額控除=申告税額
税額控除に該当するものがあれば、納める税金を少なくできます。
●税額控除について
税額控除は、一定の条件を満たす場合に、税額(課税所得×税率で算出された税額)か ら、直接一定の金額を控除、差引くことができる制度のことです。最も身近な税額控除 のひとつが、住宅ローン控除だといえるでしょう。
【主な税額控除】
◎配当控除:株主が配当金を受け取った際に、源泉徴収された「所得税・住民税」の控 除(還付)が受けられる制度。基本的には確定申告が必要となります。
◎外国税額控除:日本に居住している者や内国法人が、外国で課税される対象となる所 得や、外国で納付した場合に、一定額が所得税、または法人税から控除される制度。
◎政党等寄付金特別控除:「政党・政治資金団体」に対する寄付を行った場合、税額の 控除が受けられる制度。
◎住宅ローン控除(住宅ローン減税):新築・中古の住宅(敷地)をローンで購入、ま たは住宅を増改築した場合、一定の条件を満たせば「最長10年間」年末のローン残高に 応じて所得税が軽減、還付される制度。
●定率減税
平成18年をもって廃止されましたが、かつては 定率減税がありました。これは、景気回 復のために導入された、税負担を軽減する暫定的な措置。所得税を納めるすべての人に 認められていたもので、所得税や住民税として納税する金額のうち、それぞれ一定の割 合について控除する、つまり税金を減らせるというものでした。
定率減税
【11年(度)分〜17年(度)分】 | 【18年(度)分】 | 【19年(度)分以降】 | |
所得税 | 税額の20%相当額を控除 (25万円を限度) |
税額の10%相当額を控除 (12.5万円を限度) |
廃止 |
住民税 | 税額の15%相当額を控除 (4万円を限度) |
税額の7.5%相当額を控除 (2万円を限度) |
廃止 |