●所得税の課税方法は、総合課税と分離課税の2種類
所得税の課税方法には総合課税と分離課税の2種類があります。
個人の所得とみなされる所得には、10種類(利子所得・配当所得・不動産所得・事業所
得・給与所得・退職所得・山林所得・譲渡所得・一時所得・雑所得)があります。
所得税の計算には、まずこれらの所得を合算することが必要です。原則としては合算す
るのですが、所得の種類によっては、合算せずに個別に税金の額を計算するものがあり
ます。
所得を合算して税金を計算する方法を総合課税、所得を合算せずに個別に税金を計算す
る方法を分離課税といいます。
●総合課税とは?
10 種類ある所得のうち、不動産所得、事業所得、給与所得、一時所得、雑所得、土地・
建物、株式以外の譲渡所得は 総合課税になります。総合課税のものは、各所得を合算し
て同じ税率を用いて税金を計算します。
●分離課税とは?
10 種類ある所得のうち、退職所得、土地・建物の譲渡所得、株式の譲渡所得、山林所得
は分離課税になります。つまり、退職所得、土地・建物の譲渡所得、株式の譲渡所得、
山林所得は合算されることがなく、各所得ごとに異なる税率を用いて、各所得単独で税
金を計算します。
退職所得の場合、退職所得は老後の生活にあてるために支給されるものであるため、税
の負担を軽くしようということから、他の所得とは税金の計算方法を変えています。
分離課税について細かく見ていくと、土地・建物の譲渡のように申告しなければいけな
い「申告分離課税」と、利子所得のように利子を受けとった段階ですでに天引き方式で
課税されている「源泉分離課税」に分けることもできます。
●総合課税と分離課税の事例
サラリーマンが、親の代からあるアパート経営と株を売買する取引を行っていた場合、
会社からの給与所得とアパート経営での儲けである不動産所得は総合課税となります。
株の売買の儲けである譲渡所得は分離課税となり、単独で税金がかけられます。
村山由美子税理士事務所
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